飛騨高地 籾糠山 (1744.3m) 2011年6月12日
所要時間
4:25 天生峠駐車場−−4:43 天生湿原−−4:50 木平湿原分岐(標高1370m)−−5:16 木平湿原分岐(標高1520m)−−5:48 籾糠山 5:51−−6:15 木平湿原分岐(標高1520m)−−6:30 木平湿原−−6:52 天生湿原−−7:10 天生峠駐車場
概要
天生峠より往復。2011.6.12現在、天生峠は旧河合村側からしか行けない。天生湿原及び籾糠山はかなりの人気エリアらしく駐車場は広く道もしっかりしている。深い樹林で展望は無いが、籾糠山のみ樹林が開けて白山側を除いて大展望が楽しめる
白川郷の東側には国道350号線が通っており、天生峠(あもう峠)を越えて飛騨市(旧河合村)に至る。その天生峠の南側には籾糠山、猿ヶ馬場山など1700,1800m台の山がいくつかある。ただし、登山道があるのは籾糠山だけで、他は主に冬の積雪期か残雪期に山スキーで登られる。本当はこれらの山にも登りたいところだが、既に6月中旬でこの標高では残雪は期待できない。それらはいつか登るとして、今回は籾糠山のみ登ることにした。人形山/三ヶ辻山の翌日で疲労が残っていること、月曜日の仕事に支障が無いよう早めに帰りたいことなど勘案すればちょうどいい行程だろう。峠の標高は約1300m、山頂が約1750mなので標高差は約450m、標高差的には1時間程度だが水平距離があるので1時間半〜2時間というところか。
天生峠登山口詰所 | 天生峠登山口 |
昨日に白川郷側からの国道360号線は全面通行止めであるが旧河合村側は峠まで通行可能であることが判明していたので、大廻りで旧河合村を目指す。国道360号線の次に近道は県道利賀河合線であるが、ロードマップによると途中で合流する国道471号線は一般車通行止めとなっており、はたして使用可能だろうか? とりあえず県道に行ってみることにし国道156号線から国道417に入ると、早くも大勘場〜県境通行止めの案内があった。こんな手前の方で案内があったおかげで無駄足が短くて済み、進路を東に変えて大沢野に入り、国道41号線から国道360号線に入り、あとは天生峠までまっしぐら。えらく広くていい道の区間があれば狭い場所もあり斑模様だった。天生集落より先は細い道が続き、やがて峠に到着。国道はここで通行止めとなっていた。広い駐車場があり登山口横には詰所があって日中は賑わう場所らしい。今は無人で駐車場も空っぽだ。本日はここを宿として寝た。
天生湿原 | 巨大化した水芭蕉 |
翌朝、できるだけ早い時間に東京に戻りたいので、まだ薄暗い時刻に出発。しかし既に先行者がいた。2人組で写真撮影が目的のようででかくて重そうな三脚を担いでいた。天候は曇りだが写真のできにどれくらい影響が出るのだろうか。遊歩道はなだらかで良く踏まれ、人の多さがうかがえる。緩やかに登って尾根上から尾根東側のトラバース道に変化、湿原入口手前では沢を横断して僅かに登り、天生湿原に出た。湿原とはいっても水は少なく、真ん中付近は半分草地化しているような。周囲に水芭蕉が群生しているが、富栄養化で巨大化していた。ルートは湿原を東回りと西回りに分かれるが、まずは西回りで歩いてみた。帰りに東回りルートを歩いたがどちらも同じくらいの距離だろう。
湿原を抜けて沢を渡る | ブナの樹林を進む |
沢に沿って登山道を進む | 籔の少ないブナ林 |
湿原が終わって登りにかかると東回りルートと合流し、沢を横断する。ここでルートは3つに分かれ、地図を持っていないのでどこが「お得」か判断できないのでとりあえず直進してみる。ここは沢沿いの道でブナの森林(原生林)が続く。標高、地域的に考えて意外に籔は薄いが、たぶん尾根上は根曲がり木や笹だろうなぁ。
木平湿原/籾糠山分岐 | 小さな沢を渡って尾根に取り付く |
一気に高度を上げる | 1620m峰 |
標高1500mを越えたところで道が分岐、左に上がるのは木平湿原、右が籾糠山だ。沢を横断して尾根に取り付き、やっと本格的な登りにかかる。こちらもよく整備されたルートで、階段が設けられていた。傾斜が緩むとだだっ広い1620m峰で、ここで籾糠山へ向かう道と天生湿原へ戻る道が分岐していた。ただ、湿原への道がどのように付いているのか分からず、もし西に大廻りしていたら無駄な労力がかかるため、そちらのコースは帰りにも通らなかった。実際は登ってきた沢の西側の尾根上に道が付けられているようで、無駄なルート取りではない。
初めて籾糠山山頂が見えた | 道はずっと良好 |
尾根がなだらかで広い影響か、尾根直上に出てもずっと樹林が深くて展望が開けずなかなか籾糠山のピークの姿が見えなかったが、少しだけ開けた場所でようやくお目にかかれた。今までのダラダラ地形ではなく顕著なピークのようであった。相変わらず深い樹林と良好な登山道が続き、傾斜が無くなると籾糠山山頂だった。
籾糠山山頂 | 籾糠山から見た猿ヶ馬場山 |
籾糠山から猿ヶ馬場山へと続く尾根入口 | 籾糠山から見た人形山、三ヶ辻山 |
籾糠山から見た北〜東〜南の展望(クリックで拡大) | |
籾糠山から見た北アルプス(クリックで拡大) | |
籾糠山から見た乗鞍岳(クリックで拡大) | |
籾糠山から見た木曾御嶽(クリックで拡大) |
山頂も樹林で展望皆無かと思いきや、西側は少し木の高さが高いものがあって(2mくらい)白山方向はすっきり見えるわけではないが、それ以外は大展望だった。昨日よりはずっといいが残念ながらアルプス等の標高が高い山には霞がかかってしまっていた。それでも劒岳北方稜線から立山、その裏側には後立山。薬師岳〜黒部五郎岳〜双六岳と続き、槍穂も見えていた。その南には乗鞍岳、右側には木曾御嶽と半分重なってうっすらと中央アルプスが見えていた。さて、この夏は避暑目的でこれらのうちどれかに登ることになるだろうな。短時間であったが展望に満足し下山を開始した。
樹林の隙間から見た笈ヶ岳 | こんな案内も |
1607m峰。展望なし | 木平湿原 |
帰りは標高1520mの木平分岐で木平湿原方面に上がってみた。これは1607m峰のある尾根上を歩けばもしかしたら展望がいい地点があるかもしれないという期待からであった。しかし現実には樹林は切れたのだが人の背丈を越える笹が繁茂して展望は得られなかった。ピークを越えて標高1590m付近が木平湿原であった。湿原を通過するとグングン下り、標高1370m付近で登りに通過した分岐に合流した。時間的には行きと同様に沢沿いに行った方が早かったな。ここで往路で追い越した写真愛好家が撮影中だった。
天生湿原を越えて天生峠に下る | 天生峠駐車場 |
時刻は7時近くになり入ってくる人が徐々に増えてきた。でも車でのアプローチが悪い場所なので、日帰りで出かける人はもっと後の時間に到着かな。登山口に戻ると地元の人だろうか、詰所で準備したり駐車場の掃除をしたりとこれから1日の始まりといった雰囲気だった。もちろん、次々と出発していく人の姿があった。私はこれから東京への長い帰路が待っている。あまりのんびりできず、着替えて車を走らせた。東京到着はお昼すぎ、さすが長い道のりだった。